DT〜ローズオブゲノム〜
GB・GBC
両対応
2001 メディアファクトリー ゲームスタジオ

箱

「子供は買うな」・・・だそうです(笑)。


この作品を一言で言い表すと超濃ゆ〜い世界観を持ったトレーディングカードゲーム(TCG)

コンパクト(←他のTCGと比べると) かつ戦略性の高いカードバトルと
現代科学、政治、宗教、など綿密な設定考証のうえに成り立っている近未来SF的な濃い世界観。
それを構成する膨大な量のテキストが大きな特徴だ。


■コンパクトかつ戦略性の高いカードバトル

カードバトル部分はTCGの本家マジック・ザ・ギャザリング(MtG)を踏襲していて、
自分用の山札(=デッキ)を組んで、DTセル(MtGでいうところの土地カード/マナ)を出して
ユニット召還してというバトルの流れは基本的に同じ。

しかし、 1回のバトル時間の徹底的な短縮化が図られており、
TCGの醍醐味である高い戦略性を保ちつつも
バトルの進行を遅らせるようなフィーチャーをシェイプアップすることで
一般的なTCGと比べてかなり早く勝負が決着するようなデザインがなされている。
(このへんの手法は好移植として名高いGS製「ウィザードリィ」のアレンジに近いものがあるなぁと思う)

具体的に挙げると
・デッキは40枚固定
・ターンの最初に必ず山札から引いて手札を7枚にする
・ユニットがやられるとマスターもダメージを受ける
・独自のスピードの概念(素早いユニットから攻撃)
・攻撃を受ける側は防御ユニットを選べない
・(MtGでいう)スタックの概念の簡略化
などなど。

対人戦の場合、 プレイヤー同士の実力が伯仲してると先攻側が有利という欠点もあるものの、
そういうときは先攻後攻でそれぞれ1回ずつプレイすることなどで対処が可能だし
(MtGでの1回の対戦時間でDTなら5回は対戦できるし・・・笑)、
ゲームボーイというハードの性質も考えると、「TCGのカードバトルなのに暇つぶし的遊び方も可能」な短期決着を重視したデザインはすごく嬉しいところだ。個人的に「DT」で一番惚れ込んでいるところでもある。


■ひとクセもふたクセもあるカード

また、女子高生から化学兵器から合成生物まで
ひとクセも、ふたクセもあるユニットやエフェクトなどが登場。

ポケモンで言うところの「いけー!ピカチュウ!!」
「いけー!キュウドウブイン(弓道部員)!」とか
「いけー!マッハガルガ!!」といったところか。

バトルの情景を説明すると
油圧装置とジェットエンジンで強化された空飛ぶ女子高生が戦車とかマンモスを攻撃、
そして戦車の反撃を柔術でかわしてカウンター食らわすとか。
前列にゼリーで物理攻撃を無効果にしたサボテンを立てておいて
後列の弓道部員がマスターを射撃するとか、
言った具合。
(設定考証が非常に綿密なのでこの辺の振る舞いも実はつじつまが合ってたりするのがスゴい・・・)

デッキの組み方次第でサイボーグとか機械を使った正攻法なものから女子高生とストーカーが一緒に戦うような痴的なものまで(笑)、様々な戦法が可能だ。



■ハードボイルドなテキスト

この作品のメインとなる「ストーリーモード」では、10章からなるストーリーを追っていき、各章の最後で敵と対決(カードバトル)するという流れになっている。

ところでハードボイルドな描写が特徴のこの作品のテキストだが・・・

任天堂による検閲---いわゆる“任天チェック”にことごとくひっかかり
「死ね!」==>「死んでもらうぞ!」等、 言い回しの変更の末、
パッケージに
このゲームには暴力シーンや過激な表現が含まれています
という、 GBソフトでは超珍しいこの一文を加えることで初めてOKがでたらしい。
先日、対戦会でお会いしたテキスト作者:一圓氏の話によれば
死ぬのはいいけど、焼け死ぬのはダメとかおかしな制約もあった(笑)」とのこと。


■膨大な量のカードテキスト(しかも濃い)

登場するカードの一枚一枚には解説テキストがあり、そのテキストは1枚につき5画面以上に及び、 内容はショートストーリーからウンチクといったものまで様々。

結論から言うと、彼は***の一人だったのです。不審な体の動きからそれを直感した私は、溶解液で彼を攻撃しました。完全に仕留めることなく逃げられましたが、当分は彼も行動できないはずです。

さらに文中の単語はなんとウェブページのようなハイパーリンクで繋がっているので、延々と単語を追って漂うなんて事も可能(笑)。(ただ、文章の中身がひじょ〜に濃すぎたりするので・・・遺伝子工学とか生命科学の専門用語とかがバンバン出てきたり、個人的にちょっとついていけなかった・・・なんて事もあった)

ゲーム中、カードはショップでパックを購入したり、フリーバトルで勝利することで増やす事ができるが、新規のカードが手に入るたびに読むことの出来るテキストも増えていく。


■オトナなあなたに
以上、かなりクセがありまくるというか、確信犯的に人を突き放したトガった内容ゆえ(笑)、
残念ながら、激しくプレイする人を選ぶというのは間違いなし(苦笑)。

ただ、クリエイターのアイデアもさることながら、
同時に熟練のクラフトマンの技術が結実した
安心して身をゆだねることができる作品
でもあるので
(↑ココが重要。単にトガってるだけの作品ではないということ)
手に入れる機会があったら信じて身をゆだねて欲しい。

とにかく今までの解説を読んでウッと来た人とか、ロープレとかで単語ひとつで徹底的にその世界にのめり込める人にはまずオススメ。(2以降のメガテンが好きな人なんかもイケるクチだと思う。)
あと、最近のゲーム界で起こったイノベーションのひとつがMtGだと思うのだが、そのMtGを非常にうまく消化してる作品なので、最近のゲームはダメだとか言って悲観してる人、既存のビデオゲームはもう飽きたとか、新しいゲームをやりたいとか思ってる人にもオススメしておく。

ハマれば1年以上はこれ一本でどっぷりいけます。


■64DD版・・・
ちなみに当初はNINTENDO64用ディスクドライブ:64DDと連動した企画で
64GBケーブルという専用の周辺機器を使ってNINTENDO64とゲームボーイを接続し
テレビ画面にバトルの場を、 ゲームボーイの画面に手札を表示させて、
つまりゲームボーイをモニター付きコントローラーにして
バトルするというものだった。

しかし64DDの不振でサービスそのものがすぐに打ち切られてしまい
64DD版は完成していながら、結局お蔵入りに・・・。
すでに64DD用ディスクの生産ライン自体が止まっていた為、
制作者の分すらディスクを作れなかった状態だったそうだ。
GB版だけで充実の完成度&ヴォリュームなのだけど
本来の形で遊ぶことができなかったのは・・・とっても残念無念。


■続編はi-アプリ
その後DTはドコモ504i以降対応のケータイアプリとして発表されている。
ただ、アプリ版の戦闘はカードバトルではなくRPGの戦闘風になっているので
同じストーリーまたは同じ世界観を継承したまったく別のゲームといったところ。

個人的にDTはテキスト以上にカードバトルに惚れ込んでるクチなので
アプリ版をプレイして雰囲気がわかったなら
ぜひオリジナルのゲームボーイ版もプレイして、と思う次第。

 

(C)2001 GAME STUDIO Inc.(Marigul)

関連URL
公式サイトhttp://www.gamestudio.co.jp/dt-web/

64DD版関係:
>>アスキー24.COM NINTENDOスペースワールド1999レポート

(64GBケーブルの画像とか見れます)
http://ascii24.com/news/i/topi/article/1999/08/30/604154-000.html


>>GAMESTUDIO「DT-BloodMaster-」開発方針変更おしらせページ
http://www.gamestudio.co.jp/dt/dt1127.html


ファンサイト:
>>「DT Lords of Genomes 非公式ファンサイト」 (ねここ氏)
DTファンサイト。
“子供は買うな”の貴重な店頭ポスターの画像見れます。
http://kone2001.hp.infoseek.co.jp/dt/

>>
「DTマスターへの道」(シャル坊氏)
綿密な統計によるカードの出現率など超マニアックなデータベースが。
一度クリアしたあとカードコンプを目指すときの参考に。
http://chargain.hp.infoseek.co.jp/dt/